はじめまして、仙台徳洲会病院 放射線技術科スタッフです。
当科では、X線を利用した一般撮影、CT撮影、透視撮影、乳房撮影、血管撮影、γ線を利用した核医学撮影(RI)や、X(γ)線を利用せず、体内の水分布(主に水素原子)を画像化するMRI検査を行っています。
皆様から 検査について多くのご質問を受けますが、今回は心臓カテーテル検査について皆さまにお話したいと思います。
当検査では 医師、看護師 臨床工学技師(ME)、放射線技師、医療機器情報コミュニケータ(MDIC)等がそれぞれの専門分野で協力して検査、治療をしていきます。その際、様々な医療機器を使用しますが、血管撮影装置を中心にお話を進めていきます。
説明用に動画を作成しました。下記をクリックすると動画を視聴できます。
(以下は動画の説明文)
まず X線は 陰極と陽極の間に、高電圧を印加すると、陰極側のフィラメントと呼ばれる部分より熱電子が発生し、加速され陽極上のターゲットに当たると発生します。
人体を通過したX線は、受光部と呼ばれる部分で電気信号に変換され、X線量に応じた、信号をモニターに出力し、濃淡画像として映し出されます。そして、血管の狭窄しているところ、心臓壁運動が低下している部分等を見やすくする為に、多方向から撮影します。撮影された画像は、診断や治療方針決定等に利用し、直ちに表示され、画像を保存する画像サーバーにも送られます。では、なぜ、血管が映し出されるのでしょう。
それは、造影剤と言う薬を使用するからです。
冠動脈(心臓の表面を走行する血管)造影は、カテーテル手技に精通した医師が、橈骨動脈(手首の親指側にある脈が触れるあたり)や大腿動脈(足の付け根にある脈が触れるあたり)からカテーテルを挿入し大動脈基部にある冠動脈入口部に留置、造影剤を注入して撮影します。造影剤は、X線を透過させない性質があり撮影画面上では、黒く表示されます。そして、1秒間に10~30枚程度撮影し、血管を観察します。
少しおわかり頂けたでしょうか。また、お話しする機会がありましたら、次回はCT、MRI、RI検査についてお話したいと思います。