血液透析療法とは?

こんにちは。臨床工学室のスタッフです。今回は、腎不全の患者様に対する「血液透析療法」についてお話ししようと思います。

●血液透析とは?

体内で生じた老廃物や過剰な水分を尿として排泄するために、腎臓が行っている機能を代わりに行う治療です。また、「シャント」と呼ばれる血管に針を2本穿刺して、週3回・1回約4~5時間程行っています。

●シャントとは?

透析の際には、シャントと呼ばれる、透析を受ける上で重要な血管が必要となります。

容易に穿刺できる血管は両腕の静脈が1番適していますが、静脈はゆるやかな血液量しか流れていません。
透析中は、1分間に200~300ml程の血液を体外で循環させており、これほど早い量の血液は動脈からしか取れません。

そこで、動脈と静脈を吻合(ふんごう=つなぎ合わせ)し、静脈に1分間に500~1000ml程流れる血管を外科手術によって作成したのが「シャント」と呼ばれる血管です。

治療では血液透析装置を使用して、腎臓の機能の

  • 「老廃物の排泄」
  • 「体内の水分量の調節」
  • 「電解質の補正」

の3つの機能を行っています。
実際の治療は、円筒状のダイアライザーと呼ばれるもので行われています。ダイアライザーの中にはとても細いストロ-状の中空糸というものが数多く入っていて、その中を血液が通ります。そして、その中空糸の外側を透析液と呼ばれる電解質を含んだ液体が通ります。それから、その中空糸には小さな穴が開いていますので、そこから血液中の老廃物と余分な水分は透析液側へ、また血液に不足している電解質は血液側・過剰なものは透析液側へ移動します。その細かい調整を行っているのが、血液透析装置です。
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①透析装置
②血液ポンプ
③ダイアライザー
④血液回路

①透析装置:血液ポンプで血液をダイアライザーに送り、そして透析液をダイアライザーへ送りながら、過剰な水分等を正確に取り除けるように圧力の調整・管理を行っている機器です。
②血液ポンプ:回転することで1分間に200~300ml程の血液を循環させることができます。
③ダイアライザー: 中空糸の太さは約0.2mm、長さは10~30cm程度、本数は3000~15000本。膜の平均細孔径は0.000001mm。
④血液回路:体の外に取り出した血液をダイアライザーに送り、透析後の血液を体に戻すための管です。

我々、臨床工学技士は、看護師と協力して、透析の開始と終了のときに装置の操作を行い、透析中も患者様が安全に透析を受けられるように、装置の監視を行っています。
今回は、血液透析療法とは?ということで、簡単ではありますが臨床工学技士が携わっている仕事の内容を紹介させていただきました。今後も少しずつ仕事内容について紹介していこうと思っています。