こんにちは、救急管理委員会スタッフです。
7月23日に、心肺蘇生法(一次救命処置)を正しく行うことを目的に、全職員を対象にBLS講習会(今年度第1回目)を実施致しました。
★BLS(一次救命処置)とは
Basic Life Supportの略で、誰もが(AED以外の)特別な器具がなくてもできる心肺蘇生法のこと。急に倒れた人に対して、近くにいる人が、救急隊や医師が到着するまでの間に行う応急処置のことを言います。
※詳しくは下記のページをご参照ください。
通常、病院内でのBLSは、大まかに「意識確認→ドクターコール(当院ではドクターブルー)→気道確保→胸骨圧迫(心臓マッサージ)+人工呼吸(バッグバルブマスクなど)を繰り返す→AEDまたは除細動器が到着したら装着し、除細動後、ただちに胸骨圧迫を再開する」という流れを医師が到着するまで行います。
今回のBLS講習会では、胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸(バッグバルブマスクによる換気)に重点を置いて、人形を使用した実技が行われました。
①胸骨圧迫(心臓マッサージ)
1名が胸骨圧迫(心臓マッサージ)を100~120回/分のペースで約5cm胸壁が沈むよう(6cmを超えない)、中断せずに圧迫する。
※胸骨圧迫の目安は、胸の真ん中、乳頭と乳頭を結ぶ線の中央、もしくは胸骨の下半分。 ※下になる手は、手背側にそらすように指先を持ち上げる。上に重ねた手指で下の手の指間をつかむようにし、手掌根部で圧迫する。圧迫部分に対して垂直に腕を伸ばし、肘を曲げずに体重を乗せて圧迫する。
(次の圧迫までに胸壁が完全に元に戻るまで待つ、救助者が複数いれば2分ごとに圧迫担当を交代する)
②人工呼吸(バッグバルブマスクによる換気)
もう1名が下顎拳上法で気道を確保し、バッグバルブマスクをEC法で装着し人工呼吸をする。1回1秒かけて、胸郭が拳上する程度の送気を2回繰り返す。
(EC法とは:患者の頭側に立ち、マスクの中心を鼻筋に合わせて顔に乗せる。拇指・示指でCの字を作るようにマスクを顔に押さえ、Eの字を作るように小指を下顎角にあて、環指・中指で下顎を拳上する。)
※胸骨圧迫30回と人工呼吸2回のサイクルで続ける。
今回は上記①②の手順を2分間ずつ交代で実施しました。
正しい胸骨圧迫を2分間続けると、かなりの疲労を伴います。2分以上続けると正しく行えていないと言われています。胸骨圧迫の交代要員は多いに超したことはありません。
病院外では人工呼吸をする道具を持ち合わせていないことがほとんどだと思いますが、胸骨圧迫(心臓マッサージ)だけでもAEDが到着するまでに続けることが救命率の上昇につながります。路上などで倒れている人を見つけたときはためらわずに積極的に救命処置に取り組んでみましょう。