スタッフブログ 2018/06/20

こんにちは、医事課スタッフです。
今回は、高額療養費制度についてお話したいと思います。

○高額療養費制度とは?

70歳未満の方で、入院・手術などで診療費用が高額になる場合、あらかじめ「限度額適用認定証」の交付を受けていただき、窓口にご提示いただくと、診療費用の患者様の負担額が軽減される制度です。
診療費用(請求額)が高額となった場合、全額をお支払いいただいた後でも保険者に対し申請を行えば、この制度で定められた自己負担限度額を超えた金額について払戻しを受けられますが、事前に申請を行い提出いただくことで、請求額に制度が適用され一時的な多額の現金の支払いを軽減できます。

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○申請手続きの方法は?

ご加入されている保険の保険者に対し交付申請を行ってください。
(例)
国民健康保険 → 市(区)役所、町(村)役場
お勤め先から発行された保険証 → 会社の担当者

○限度額適用認定証は、いつ・どこに提出すれば良い?

保険者から「限度額適用認定証」が発行されお手元に届きましたら、入院当日の入院手続きの際に1階入退院窓口に保険証と一緒にご提示ください。

○入院日までに発行が間に合わなかった時は?

入院した後でも大丈夫です。
ただし、診療費用請求は1ヶ月毎に行われますので、入院した月の月末までにはご提示ください。
※退院後に発行された場合、退院時に3割負担のお支払をしていただき月末までのご提示でご返金致します。
 返金の際、領収書を差し替えさせていただきますので領収書をご持参ください。
※月末にも間に合わなかった場合は、一度お支払い後に還付手続きを行っていただく必要があります。

○自己負担限度額(基準額)はいくら?

受診される方の、年齢や前年所得により区分されます。

医療費の自己負担限度額(同一月1ヶ月あたり) 
ア 標準報酬月額83万円以上 252,600円+(医療費-842,000円)×1%
イ 標準報酬月額53万~79万円 167,400円+(医療費-558,000円)×1%
ウ 標準報酬月額28万~50万円 80,100円+(医療費-267,000円)×1%
エ 標準報酬月額26万円以下 57,600円
オ 低所得者:住民税非課税 35,400円

※詳しくは保険者にお問い合せください。
※70歳以上の方は『高齢受給者証』を提示いただくことで、限度額適用認定証の申請を行わなくとも、この高額療養費制度が適用されます。
 一般所得者の場合、自己負担限度額57,600円 食事代460円/食
※所得区分が「低所得」となる方は、「限度額適用・標準負担額減額認定証」の申請が必要になります。(「低所得」とは「住民税非課税世帯」の方です。)
 低所得区分Ⅱの場合、自己負担限度額24,600円 食事代210円/食
 低所得区分Ⅰの場合、自己負担限度額15,000円 食事代100円/食

○制度の対象とならないものは?

医療費のうち、食事代や保険適用外負担分(室料差額、病衣代、文書代 等)は、高額療養費制度の対象となりません。

今回は、高額療養費制度についてお話しさせていただきました。
少しでも患者様の負担軽減のお手伝いが出来るよう、今後も患者様に寄り添った情報の発信に努めてまいりたいと思います。
ご不明な点がございましたらお気軽に窓口までお声掛けください。

スタッフブログ 2018/06/18

こんにちは、看護部スタッフです。今日は脱水症についてお話しさせて頂きます。



脱水症とは、何らかの要因により体内の水分とナトリウム(塩)が不足している状態を指し、スポーツ時の発汗だけでなく、気温や乾燥など、様々な要因によって起こりうる症状と言われます。
脱水症の種類は水分・ナトリウムの損失に関係して大きく二つに分けられます。

●低張性脱水

水分と一緒に血液中のナトリウムが不足してしまう状態のことです。
主な症状:だるさや吐き気、けいれんなどの症状が現れます。
発症しやすい人:長時間のスポーツなど、発汗を伴う際に発症しやすいです。

●高張性脱水

体内の水分だけが不足する状態のことです。
主な症状:発熱や激しい口渇状態、意識の混濁なども起こすことがあります。
発症しやすい人:自分で水分補給が出来ない乳幼児、高齢者に発症しやすい症状です。

夏は発汗も多く、高温多湿の気候に体が対応しにくくなり、熱中症をおこしやすい時期です。
熱中症を伴った脱水症の予防のためにも

  • 運動を始める前には十分な水分摂取を行う
  • 1時間以上の運動または強度の高い運動時には、ミネラルを含むスポーツドリンクなどを補給する

等するようにしましょう。

また、就寝時・入浴前後・飲酒の後なども体内で水分が少なくなりやすいです。喉が乾いてから水分摂取するのではなく、こまめに水分補給することを心掛けましょう。子供や高齢者では喉の渇きに気付かない場合もあるため、尿回数、尿の色などにも注意が必要です。

これからの時期、脱水症になりやすい時期ですので、皆さん、こまめな水分補給をする等して心掛けましょう。

スタッフブログ 2018/05/31

こんにちは、看護部スタッフです。

最近風疹が流行しているというニュースを耳にした方も多いのではないでしょうか。

風疹は発熱や発疹、リンパ節腫脹が見られ、時に重症な合併症を併発し重症化する恐れのある恐い感染症です。そのため、きちんと予防し感染しないことが重要となります。
風疹は飛沫感染と呼ばれ、感染した人の咳やくしゃみによる唾液や鼻水等により感染すると言われています。感染しても症状が出ない人も多くいますが、症状が出ていない場合でも1人につき抗体(免疫)を持っていない人5〜7人に感染するほどの強い感染力を持っています。

さて、この風疹どうやって予防するのが効果的なのか、、

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それはワクチンです!!

現在日本では、風疹ワクチン(4種混合ワクチン)が定期接種に導入されており、1歳と入学前の2回接種が原則となっていますが、以前は女性のみが対象になっている時期や任意接種となっている時期があったので、自分がワクチンを接種しているのか、きちんと免疫がついているのかを把握することが大切です。

接種の有無については母子手帳、抗体(免疫)の有無については採血で調べることができます。
抗体がついていない場合には、ワクチンを接種することをお勧めします。

いつ急に流行が始まるかわからない感染症です。自分のため、周りの人のためにもこの機会に検査してみてはいかがでしょうか☆

スタッフブログ 2018/05/29

2017年11月14日、仙台徳洲会病院はISO9001:2015規格の認証施設になりました。

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ISOってなんでしょう?と思いになるでしょう。わたしたちも同じでした。

病院には様々な業務を行う部署や、部署を横断する機能としての委員会などたくさんの組織があります。
これまでは、それぞれの組織で業務の改善やスタッフ教育を行っていました。悪く言うと、バラバラに行っていたとも言えます。
ISOのマネジメントは、事業運営体制や、ガバナンスの再構築に最適だという提案をいただき、前の病院でISO認証を推進してこられた院長を中心に準備を進めてきました。
当院のISOマネジメントは、職員の力量を向上し、業務の質を改善することにより、医療の質を上げることを目的としています。業務の問題抽出や原因究明、解決策の検討や検証を通じて医療のレベルアップを図る仕組みを構築しました。

ISOマネジメントは仕組みです。医療の中身ではありません。
ISO認証を受けた=素晴らしい医療をしている。ではありません。

今の仙台徳洲会病院をよい病院にするための仕組みがISOです。

この仕組みを生かし、今年より来年、来年より再来年、さらに地域に貢献できる病院を目指します。これからもよろしくお願いします。

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スタッフブログ 2018/05/26

こんにちは。臨床工学室のスタッフです。今回は、腎不全の患者様に対する「血液透析療法」についてお話ししようと思います。

●血液透析とは?

体内で生じた老廃物や過剰な水分を尿として排泄するために、腎臓が行っている機能を代わりに行う治療です。また、「シャント」と呼ばれる血管に針を2本穿刺して、週3回・1回約4~5時間程行っています。

●シャントとは?

透析の際には、シャントと呼ばれる、透析を受ける上で重要な血管が必要となります。

容易に穿刺できる血管は両腕の静脈が1番適していますが、静脈はゆるやかな血液量しか流れていません。
透析中は、1分間に200~300ml程の血液を体外で循環させており、これほど早い量の血液は動脈からしか取れません。

そこで、動脈と静脈を吻合(ふんごう=つなぎ合わせ)し、静脈に1分間に500~1000ml程流れる血管を外科手術によって作成したのが「シャント」と呼ばれる血管です。

治療では血液透析装置を使用して、腎臓の機能の

  • 「老廃物の排泄」
  • 「体内の水分量の調節」
  • 「電解質の補正」

の3つの機能を行っています。
実際の治療は、円筒状のダイアライザーと呼ばれるもので行われています。ダイアライザーの中にはとても細いストロ-状の中空糸というものが数多く入っていて、その中を血液が通ります。そして、その中空糸の外側を透析液と呼ばれる電解質を含んだ液体が通ります。それから、その中空糸には小さな穴が開いていますので、そこから血液中の老廃物と余分な水分は透析液側へ、また血液に不足している電解質は血液側・過剰なものは透析液側へ移動します。その細かい調整を行っているのが、血液透析装置です。
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①透析装置
②血液ポンプ
③ダイアライザー
④血液回路

①透析装置:血液ポンプで血液をダイアライザーに送り、そして透析液をダイアライザーへ送りながら、過剰な水分等を正確に取り除けるように圧力の調整・管理を行っている機器です。
②血液ポンプ:回転することで1分間に200~300ml程の血液を循環させることができます。
③ダイアライザー: 中空糸の太さは約0.2mm、長さは10~30cm程度、本数は3000~15000本。膜の平均細孔径は0.000001mm。
④血液回路:体の外に取り出した血液をダイアライザーに送り、透析後の血液を体に戻すための管です。

我々、臨床工学技士は、看護師と協力して、透析の開始と終了のときに装置の操作を行い、透析中も患者様が安全に透析を受けられるように、装置の監視を行っています。
今回は、血液透析療法とは?ということで、簡単ではありますが臨床工学技士が携わっている仕事の内容を紹介させていただきました。今後も少しずつ仕事内容について紹介していこうと思っています。