
こんにちは、栄養管理室スタッフです。
~食事療法シリーズ 第9回目~
今回は「悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高い人の食事の改善方法について」をご紹介します
※食事療法についてシリーズでご紹介しております。
過去の記事を読みたい方は下記のリンクをクリックして下さい。
① そもそも『コレステロール』って何?
血液中に存在する脂肪の一つです。数値が上昇すると血液中に脂質が多すぎる状態になり脂質異常症(高脂血症)と言われます。
【基準値】
総コレステロール |
正常値範囲 130~219 ㎎/dl |
中性脂肪 |
正常値範囲 33~149 ㎎/dl |
HDLコレステロール |
正常値範囲 40~70 ㎎/dl |
LDLコレステロール |
正常値範囲 63~139 ㎎/dl |
上記は基準値を示していますが、検査結果が正常値範囲の中に入っていても油断は禁物ですよ!
② 脂質異常症(高脂血症)って何?
血液中に存在するコレステロールや中性脂肪などの脂質(血清脂質)の値が非常に高い状態をいいます。
正常な血液の中には、つねに一定の脂肪分が保たれていますが、何らかの理由でこのバランスが崩れてしまうのです。
特に自覚症状はないので、健康診断などで判明する方が多くいらっしゃいます。
③ 中性脂肪とは?
⇒前回のブログ『第8回目の 中性脂肪ってなに?』をご参照ください。
※中性脂肪が増えすぎると善玉コレステロール(HDLコレステロール)を減らし、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増やしてしまいます。
④ 善玉コレステロール(HDLコレステロール)とは?
血管の内側に付着したLDLを見つけては回収するとういう働きをします。
善玉というネーミングからもわかるように、HDLは体内に余分なLDLを増やさない働きをしてくれます。
血液検査で総コレステロール量がそれほど高くなくても、HDLコレステロールの量が少なければ注意が必要です。
⑤ 悪玉コレステロール(LDLコレステロール)とは?
食品から摂取したり、肝臓で合成されたコレステロールを全身の細胞に運ぶ役割があります。
LDLコレステロールが増えすぎるとと、血管の内側へのLDL付着を促し、動脈硬化を起こす可能性が高くなります。
⑥ 動脈硬化になるとどんな病気になるの?治療法は?
⇒前回のブログ『第8回目の 中性脂肪ってなに?』をご参照ください。
⑦ 食事療法はどんなことをしたらよいの?
★まずはご自分にふさわしいカロリーを自覚しましょう
※ 計算方法は、『第3回目の 1日に必要な適正エネルギーの計算方法』をご参照ください。
★コレステロールが多く含まれる食品の食べ過ぎはありませんか?
コレステロールが高い人はコレステロールの量の調整が必要です。
適正コレステロール摂取量:1日300㎎ まで。
LDLコレステロール高値が続く人:1日200㎎までにしましょう。
例えば・・・卵(M玉1個 約50g)で 210㎎ もあります
ただし、卵黄の部分に多く含まれていて白身の部分にはコレステロールはほとんど 含まれていません。
卵を1日1回以上食べる方、もしくは下記のコレステロールを多く含む食品類を 食べる場合は、その日1日の食事では何種類も重ねて食べないようにしましょう。
◎ 一般的にコレステロールが多く含まれている食品例 ◎
鶏卵(黄身)、うずらの卵、イカ、たこ、小魚(頭から内臓まで全部食べることができる小魚:煮干しなど)、魚卵(すじこ、たらこ、いくら、うに、数の子など)、牛・豚・鶏の内臓(レバー・砂肝)、肉の脂身、バター、ラード など
!!注意!!
●コレステロール含有量が少ない食材でも、体内でのコレステロール合成を促す食材 もあります。食べ過ぎにはご注意を。
(例:インスタントラーメン、チョコレート、牛乳、チーズ、ショートケーキなど)
●お菓子にも卵を多く含んでいるもの(カステラ、シュークリームなど)があります。
沢山食べている方は注意をしましょう。
★野菜を食べましょう
野菜に含まれる食物繊維にはコレステロールの吸収を抑えてくれる働きがあります。
毎日(毎食)の食事で意識して野菜、海藻、きのこ、こんにゃくなどを取りましょう。
※ 野菜の効果・1日の必要量については
⇒『第1回目の 血糖値を上げにくい食べ方について』をご参照ください。
ご自身の健康診断の検査結果等で気になることがありましたらかかりつけの主治医へ ご相談ください。
放っておいたり、これくらいなら大丈夫だろうと過信は禁物です。
当院では主治医の指示により、患者様へ栄養食事指導(有料)を行っております。
外来通院中の方で食事の話が詳しく聞きたいと思われた方は、受診の際にお気軽に主治医へご相談下さい。
なお、当院では医師や医療スタッフによる無料の医療講演会も行っております。
今回のようなコレステロールのお話もあります。
興味をお持ちの方は是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
医療講演会ページ
今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。
次回もお楽しみに。