こんにちは、栄養管理室スタッフです。
~食事療法シリーズ 第8回目~
今回は「中性脂肪ってなに?食事との関係」についてご紹介します。
※食事療法についてシリーズでご紹介しております。
過去の記事を読みたい方は下記のリンクをクリックして下さい。
皆さんは、ご自身の健康診断の結果はご存知ですか?
そろそろ健康診断を受けようかと思い、その前に食生活、生活習慣を見直すという方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は『中性脂肪』についてご紹介します。
① そもそも『中性脂肪』って何?
血液中に存在する脂肪の一つが中性脂肪です。
数値が上昇すると血液中に脂質が多すぎる状態になり脂質異常症(高脂血症)と言われます。
② 脂質異常症(高脂血症)って何?
血液中に存在するコレステロールや中性脂肪などの脂質(血清脂質)の値が非常に高い状態をいいます。
正常な血液の中には、つねに一定の脂肪分が保たれていますが、何らかの理由でこのバランスが崩れてしまうのです。
特に自覚症状はないので、健康診断などで判明する方が多くいらっしゃいます。
③ 増えすぎるととどうなるの?
体内の中性脂肪が増えすぎてしまうとコレステロールのバランスが崩れて動脈硬化を起こす可能性を高くしてしまいます。
④ 動脈硬化になるとどんな病気になるの?
脳血管疾患、心疾患、腎疾患など様々な病気につながる可能性があります。
ご心配な方はかかりつけの医師に相談してみましょう。
⑤ 治療法は?
日常生活の改善、食事療法、運動療法、薬物療法があります。
運動療法、薬物療法に関しては、個人差がありますので、現在通院されている方は主治医へ相談してみましょう。
★運動療法は?
毎日適度に体を動かすことが大切です。
1日30分程度の有酸素運動がお勧め。
(※有酸素運動とは…酸素を使い体内の糖質・脂質をエネルギー源として消費する、筋肉への負担が少ない運動のこと)
まずは手軽にできるウォーキングや散歩、日常の生活活動強度を増やしましょう。
「いつでも、どこででも、気軽にひとりでもできる」が基本です。
※持病のある方は必ず主治医に相談してから運動を始めましょう。
⑥ 食事療法はどんなことをしたらよいの?
★まずは自分にふさわしいカロリーを自覚しましょう。
体内の中性脂肪の量をコントロールするためには、1日の摂取カロリーを目標範囲内に抑えることが大切です。
摂取エネルギーは、標準体重を維持する量を目安にしましょう。
標準体重×25~30キロカロリー/日が目安です。
ご自身の身長・体重から肥満度、標準体重、適正エネルギーが求められます。
※計算方法については『第3回目の 1日に必要な適正エネルギーの計算方法』をご参照ください。
★中性脂肪を減らすには
・腹八分目を心掛けましょう。食べ過ぎはよくありません。
また、夜遅くに食べることも良くありません。夕食はなるべく早い時間に食べ終わるようにしてみましょう。
・エネルギーの高い食品は控えめにしましょう。
お酒も実は高カロリーです。揚げ物もなるべく控えましょう。
体に良いといわれている油(例えば…オリーブオイル、アマニ油など)も高カロリー食品です。大さじ1杯で80kcalもあるのですよ。
なんでもとり過ぎはよくありません。
・積極的に野菜、海藻、きのこ、こんにゃくなどの食物繊維や、赤身の肉や白身の魚、大豆製品などを積極的に取りましょう。
肥満防止には野菜の多い和食がお勧めです。
※野菜の効果・1日の必要量については『第1回目の 血糖値を上げにくい食べ方について』をご参照ください。
・甘いものも食べ過ぎないようにしましょう。
糖分のとり過ぎもよくありません。
・外食が多い人は?
単品メニュー(丼物、麺類など)になると食品や食材に偏りが出てきます。
定食のように野菜もまんべんなく食べることができるメニューを選択しましょう。
どうしても単品メニューしかないお店の場合は、野菜のおかず(サラダやおひたしなど)も1品組み合わせましょう。
例えば、野菜がたくさん入っている麺類でも大丈夫です。
・野菜の漬物は野菜として食べても良いの?
漬物は塩分が多いので野菜のおかずには含まれません。
塩分を摂りすぎると血圧が高くなるのでご注意を!
・果物は食べても良いの?
果物には糖分が多く含まれており食べ過ぎるとカロリーオーバーや中性脂肪の上昇につながる可能性がありますのでご注意ください。
※果物の適正量については『第4回目の 果物の適正量について』をご参照ください。
今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。
次回は『コレステロールが高い人の食事療法の工夫について』を紹介したいと思います。